『日日是好日』で自分自身と向き合う
『日日是好日』という言葉を知っていますか?
私がこの言葉とはじめて会ったのは、森下典子さんのエッセイ
『日日是好日 「お茶」が教えてくれた15のしあわせ』でした。
読んだことのない方には是非お勧めしたい1冊です。
エッセイの中では筆者の25年間のストーリーが綴られています。
お茶室の空間や自然の音、お点前の仕草がまるで映像を見ているかのように感じられました。
お茶の心構えだけではなくて、筆者が過ごした時間を追いながら、生きることや学ぶことって何だろう、と考えさせられます。
エッセイを読んで「そんな大人ってどこか素敵だな」と思ったこと、これが私が茶道を始めてみたいと思ったきっかけです。
日日是好日(にちにちこれこうじつ)
来る日も来る日も、楽しく平和なよい日が続くこと。一日一日を大切に生きる心構えをいう。
『日日是好日』は、黒木華さん、樹木希林さん、多部未華子さんで映画化もされています。
映像で見るのも、文字で読むのとはまた違って所作の美しさやお茶室の雰囲気が感じられます。
ぜひ見てみてください。
https://www.nichinichimovie.jp/
その後、たまたま『日日是好日』を再度目にする機会がありました。
静岡県の掛川城のすぐそばに二の丸茶室というお茶室があります。
友人と掛川城を観光し、そばを通りかかったためお茶でもいただいていこう、ということになりました。
後から知ったのですが、藤井聡太八冠と羽生善治九段の王将戦が開かれたお茶室だそう。
二の丸茶室の掛け軸は『日日是好日』でした。感動の再開です。
一番驚いたことは、床の間に枝付きのキウイが飾ってあったことです。
それまでは茶道といえば厳格に、お作法のとおりに、というイメージを持っていましたが、「キウイもいいんだ!」と驚きました。
というより枝付きのキウイを初めて見ました。
ユーモアや遊び心があるのもまた粋なのだと気づかされた次第です。
人を笑顔にするユーモアというものは、いつも心の隅に持っていたいものですね。